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奈良県の後期高齢者医療制度の保険料はどうやって計算しますか
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奈良県の後期高齢者医療制度の保険料は、2年ごとに奈良県後期高齢者医療広域連合が条例で定めます。所得が高い人は保険料が高くなりますが、保険料の限度額は66万円になっています。
奈良県の令和4年と5年の保険料(年額)の計算式
基礎控除の後の「総所得金額等」に都道府県ごとに定められる率(所得割率)をかけ、全員が等しく負担する額(均等割額)を足します。奈良県の所得割率は9.93%、均等割額は5万500円です。
1人当たりの保険料=
(総所得金額等—43万円)×9.93%+50,500円*43万円は基礎控除額。保険料は100円未満切り捨て
「総所得金額」は、収入から経費を引いた額です。年金なら「公的年金収入—公的年金控除」、給与なら「給与収入—給与所得控除」、事業をしているなら「事業収入—必要経費」となります。「総所得金額等」の「等」には分離課税分が含まれます。分離課税されるものには、株式の譲渡所得、配当所得、土地の譲渡所得などがあります。公的年金控除については、65歳以上で年金収入が330万円未満なら控除額は110万円です。
保険料の均等割額が軽くなるケース
同一世帯の被保険者と世帯主の「総所得金額等」の合計が一定以下であれば均等割額は軽減されます。計算式は、いささか複雑です。均等割額の軽減
軽減割合 総所得金額等 7割軽減 43万円+10万円×(給与所得者等※の数-1)以下 5割軽減 43万円+ 28.5万円×(被保険者数)+ 10万円×(給与所得者等の数-1)以下 2割軽減 43万円+52万円×(被保険者数)+10万円×(給与所得者等※の数-1)以下 ※「給与所得者等」とは、55万円超の給与所得のある人や公的年金所得がある人(65歳以上で110万円超、65歳未満で60万円超)。65歳以上の公的年金所得については、公的年金の収入額から公的年金控除を差し引いたあと、さらに高齢者特別控除15万円を引く。
75歳以上夫婦の世帯で計算
では、実際に計算してみましょう。
75歳以上の夫婦だけの世帯で、年金は夫が224万円、妻が80万円だったとします。
均等割額
夫の「総所得金額等」は
224万円-110万円(公的年金控除)=114万円となります。ここから15万円(特別控除)を引いた99万円が均等割額の軽減判定所得になります。一方、妻は
80万-110万円でマイナスになりますので総所得金額等は0円です。したがって、世帯で軽減判定所得は99万円です。この世帯では、被保険者数2人、給与所得者等の数2人ですので、5割軽減対象は、
43万円+28.5万円×2+10万円×1=100万円ですので、
99万円なら5割軽減を受けられます。したがって、年間の均等割額は、夫、妻とも5万500×0.5=2万5250円です。
所得割額
夫 (224万円—110万円—43万円)×9.93%=7万503円
妻 総所得金額等が0円ですので所得割額も0円です
年間保険料額
夫 2万5250+7万503円=9万5753円
➡100円未満切り捨てで9万5700円妻 2万5350円
となります。
奈良の保険料は平均より高い
保険料は都道府県によって異なります。令和4・5年度の一人当たりの保険料額は、全国平均が月額6472円ですが、奈良県は624円高い7096円になっています。均等割額も所得割率も都道府県によって異なり、奈良県の均等割額5万500円に対して全国平均は4万7777円、所得割率は奈良県の9.93に対して全国平均は9.34%となっています。保険料の安いところ、例えば新潟県では、均等割額は4万907円、所得割率は7.84にすぎません。
出展はこちらhttps://www.mhlw.go.jp/content/12403500/000921686.pdf
都道府県によって保険料が異なる理由は
後期高齢者医療制度で保険から払われる医療給付費の財源は、公費約5割、75歳未満の人の負担約4割、75歳以上の人の保険料約1割となっています。高齢の方が多いなどの理由で、1人あたりの医療給付費が多くなれば、保険料は高くなります。
後期高齢者医療広域連合
後期高齢者医療制度を運営するため、都道府県内の全市町村で構成されている団体です。窓口業務は市町村が行い、広域連合が保険料の決定や医療費の支給を行います。奈良県後期高齢者医療広域連合(電話0744-29-8430)は、橿原市大久保町の奈良県市町村会館の7階にあります。