父親の相続手続をしていて、自分が住んでいる家のある土地が祖父名義になっていることがわかりました。自分の名義にするにはどうしたらいいですか

祖父の相続人、父親の相続人全員が同意すれば、その土地をあなた名義にすることができます。このように、前の相続手続きをしないうちに次の相続が発生していることを数次相続といい、それぞれの相続を分けて考えていきます。

祖父の相続人、父親の相続人全員で

上図のような家族を例に取ると、祖父の相続人は祖母、父親、おじ、おばです。このうち祖母と父親は亡くなっています。したがって、祖父の財産については、おじ、おば、そして父親の相続権を引き継ぐあなた、母親、妹の計5人で協議し、土地を父親が相続することにします。

次に、父親の相続人であるあなた、母親、妹の3人が話し合って土地をあなたが相続することにします。

そうすれば、祖父名義の土地は、あなた名義にすることができます。

父の相続で祖父名義の土地を自分名義にするには――のイメージ写真

1件の登記申請でOK

話し合いの結果をまとめる遺産分割協議書は1通でも可能ですが、2通にした方がわかりやすいでしょう。

数次相続では、遺産分割で中間が単独相続であった場合は、所有権の移転登記は1件の申請で行えます(昭和30年12月16日付、民事甲第2670号民事局長通達)。このケースでも、途中の土地の相続は父親1人になっていますので1件の申請で可能です。

登記申請する際は、祖父、父親の出生から死亡までの戸籍謄本のほか、相続人5人の戸籍謄本、印鑑証明書などが必要になります。