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ひ孫が相続放棄するときに必要な書類には、どんなものがありますか
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相続財産の存在を認識した時から3か月以内
曾祖父が所有する不動産が、行政側からの通知によって、何十年もたってから判明することがあります。こうした場合でも、相続放棄ができる可能性がありますので、「もう遅い」と簡単にあきらめないようにしましょう。
判例(下記)によると、相続放棄ができるのは
- 被相続人に相続財産が全くないと信じた
- そう信じたことに相当な理由があった
の両方の要件を満たすときです。
この場合、相続財産の全部又は一部の存在を認識したときから3か月以内に申述すれば,相続放棄の申述が受理されることがあります。
どんな書類が要りますか?
ひ孫が家庭裁判所に相続放棄を申述する際に必要な書類は、相続放棄の申述書と被相続人、相続人、代襲人の戸籍謄本などです。
必要書類
- 相続放棄の申述書
- 戸籍謄本など(以下の通り)
被相続人 死亡の記載のある戸籍謄本(除籍、改製原戸籍) 住民票または戸籍附票 相続人 死亡の記載のある戸籍謄本 申述人 戸籍謄本 必要な戸籍謄本を、曾祖父の相続人が祖父、祖父の相続人が父親で、3人とも亡くなっている場合で具体的に示すと以下のようになります。
続柄 必要な戸籍謄本等 曾祖父 死亡の記載のある戸籍謄本 住民票または戸籍附票 祖父 死亡の記載のある戸籍謄本 父親 死亡の記載のある戸籍謄本 本人 戸籍謄本 あわせて上申書も
このほか、ひ孫が相続放棄を申述するときには、上申書を提出した方がいいでしょう。上申書には、曾祖父の死亡から長い年月が経て、申述が今になった事情、曾祖父に相続財産があるとは思わなかった理由などを書きます。
相続放棄を申述する裁判所
曾祖父の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申述します。
相続放棄の申述にはお金はかかりますか
家庭裁判所に相続放棄を申述する際は、申述人1人につき800円分の収入印紙が必要です。このほか連絡用の切手も納めます。奈良家庭裁判所では84円切手が5枚です。
関連判例
最高裁判決
▽昭和59年4月27日最高裁判決
3か月以内に限定承認又は相続放棄をしなかつたのが、被相続人に相続財産が全く存在しないと信じたためであり、かつ、被相続人の生活歴、被相続人と相続人との間の交際状態その他諸般の状況からみて当該相続人に対し相続財産の有無の調査を期待することが著しく困難な事情があつて、相続人において右のように信ずるについて相当な理由があると認められるときには、相続人が前記の各事実を知つた時から熟慮期間を起算すべきであるとすることは相当でないものというべきであり、熟慮期間は相続人が相続財産の全部又は一部の存在を認識した時又は通常これを認識しうべき時から起算すべきものと解するのが相当である。
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