法務局が遠方にあります。不動産の相続登記は郵送でもできますか

郵送申請は可能です。法務局に書留で送ると、不動産の登記申請はできます。申請書の書き方や添付書類には、いろいろと注意事項があって間違いやすく、こうした手続きに不慣れな人は、法務局に足を運んで、職員に相談した上で申請した方がよいでしょう。法務局には予約制の登記手続き案内があります。直し(補正)などが必要になると、結局、法務局に出向くことになり余計に手間がかかります。費用はかかりますが、簡単で確実なのは司法書士に依頼することです。

法務局への郵送方法

封筒に「不動産登記申請書在中」と書いて、申請書類や添付書類を入れ、書留(簡易書留可)で郵送します。レターパックプラス(600円)でもかまいません。送り先は、管轄の法務局です。

宛名を書いた返信用封筒、書留料金の切手を同封しておくと、登記完了証、返却してほしい戸籍謄本などの原本を送ってもらえます。原本を返してもらうには、コピーも送ります。中表紙として白紙に「原本に相違ありません」と書いて、署名し、申請書と同じ印鑑を押します。この中表紙とコピーをホッチキスで止め、各ページのつづり目に契印を押します。

登記識別情報(かつての権利証)も郵送してもらえます。その場合は、「本人限定受取郵便」を利用しますので、書留料金+270円の切手が必要となります。切手を多めに入れておくと余った分を返してくれます。

登記完了証と原本は、レターパックプラスでも法務局に送ってもらえますが、登記識別情報は、本人限定受取郵便でなければならず、レターパックプラスでは送ってもらえません(法人や資格者代理人を除く)。

同封する必要書類

(遺言書がない場合)

登記申請書

申請書は法務局のホームページからダウンロードできます。ワープロで打っても、手書きでもかまいません(鉛筆不可)。郵送の場合は郵便が届いた日が申請日になりますので、申請日は空白にしておくといいでしょう。


登記完了証と原本を送ってほしいときは、「その他の事項」のところに「送付の方法により、登記完了証の交付及び添付情報の原本の還付を希望する。送付先 登記申請人の住所宛て」と記載します。


登記識別情報を送ってほしいときは、「□登記識別情報の通知を希望しません」の下に、「送付の方法により、登記識別情報通知書の交付を希望する。送付先 登記申請人の住所宛て」と記載します。

    その他の必要書類

    • 被相続人(故人)の出生から死亡までの戸籍謄本
    • 被相続人の住民票除票
      または本籍地が記載された戸籍附票
    • 法定相続人全員の戸籍謄本または抄本
      被相続人が死亡した以降のもの
    • 不動産を相続する人の住民票
    • 遺産分割協議書
      法定相続人全員が実印を押し印鑑証明(有効期限なし)をそえる。法定相続割合で登記する場合は不要
    • 固定資産税納税通知書
      または固定資産税評価証明書(申請する年度のもの)。登録免許税を計算するためのもの。
    • 登録免許税
      税額(100円未満切り捨て)=
      固定資産税評価額の合計(1000円未満切り捨て)×0.004

    法定相続情報一覧図の写しを提出すると、被相続人(故人)の出生から死亡までの戸籍謄本、法定相続人全員の戸籍謄本または抄本を省略できます。一覧図に被相続人、相続人の住所が記載されていれば、住民票の写しもいりません。

    書類作成上の注意事項

    • 原因には被相続人の死亡日を記す
    • 相続人の住所・氏名は住民票に記載されている通りに記す
    • 相続人の住民票は、マイナンバーが記載されていないものを提出
    • 不動産の表示は登記事項証明書(登記簿謄本)通りに記載
    • 登記事項証明書の住所・氏名と現在の住所・氏名が異なる場合は、経緯が確認できる住民票(本籍記載)または戸籍附票が必要
    • 戸籍謄本などの返却を受けるには、相続関係説明図が必要
    • 申請書とは別の白紙を台紙を用意し、登録免許税を現金で納めるときは領収書を、収入印紙で納めるときは収入印紙を貼り付ける
    • 申請書が複数枚(登録免許税の台紙を含む)になる場合は、左側をホチキスでとめ、用紙の綴り目に契印を押す
    • 登録免許税については減免措置を受けられる場合がある

    オンライン申請も可能

    インターネットで登記申請する方法もあります。ソフトの読み込みなどが必要で、士業者には便利ですが、お年寄りにはハードルが高い申請方法です。

    関連条文
    不動産登記規則53条
    登記の申請をしようとする者が申請書及びその添付書面を送付するときは、書留郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成14年法律第99号)第2条第6項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第9項に規定する特定信書便事業者(以下「信書便事業者」と総称する。)による同条第二項に規定する信書便(以下「信書便」という。)の役務であって当該信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものによるものとする。
    2 前項の場合には、申請書及びその添付書面を入れた封筒の表面に不動産登記申請書が在中する旨を明記するものとする。

    不動産登記規則

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