死因贈与と遺贈はどう違うのですか。

死因贈与は、贈与者の死亡によって効力が生じる贈与です。遺贈は遺言によって財産を贈る行為です。どちらも亡くなられた後に財産が贈られるという点では同じです。よく似ているので、適用される法令も共通するところが多い。例えば、撤回については、死因贈与も遺言も、いつでも全部または一部を撤回できます(「これをしてくれたら財産あげます」という負担付死因贈与は撤回できない場合があります)。

一番違うところは、死因贈与が生前の双方の契約(諾成・不要式)によって贈られるのに対して、遺贈は遺言という単独行為によって贈られることです。受贈者の事前の承諾がありません。遺言書を開けてみてびっくりということもあります。死因贈与のよいところは、なんといっても「前もって知っている」ところでしょう。準備ができます。

贈られる人が先に亡くなった場合はどうなるのでしょうか。遺贈は効力が生じなくなります。死因贈与は学説が割れています。遺贈と同様無効になるとする考え方と、贈られることを期待している受贈者の相続人が、受贈者の遺産として承継するべきだという考え方があります。

かかる税金は、いずれも相続税です。名前が「贈与」でも死因贈与には相続税がかかります。贈与税がかかる贈与より、相続税がかかる死因贈与にした方が、多くの場合、税金が安くなります。

関連条文
民法第554条
贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与については、その性質に反しない限り、遺贈に関する規定を準用する。
民法第1022条
遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。
民法第994条
遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、その効力を生じない。

民法

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