任意後見監督人選任の申立てのやり方は?

任意後見監督人の選任を家庭裁判所に申立てることは、監督人の選任のみならず、任意後見契約を発効させるという意味があります。この手続きをもって、登記していた任意後見契約は動きだし、任意後見人は代理権を行使できるようになります。

任意後見監督人は、任意後見人の事務が適正に行われているのかをチェックし、家庭裁判所に定期的に報告を行います。

任意後見監督人選任の申立てができる人

  • 本人
  • 配偶者
  • 4親等内の親族
  • 任意後見受任者

本人申立てではない場合、本人の同意が必要です。意思能力が喪失・欠如している場合は同意は不要です。いったん申立てると、家庭裁判所の許可がなければ取り下げることはできません。

申立先  本人の住所地を管轄する家庭裁判所

任意後見監督人選任申立書の一部
任意後見監督人選任申立書の一部

必要書類にはどんなものがありますか

▽申立書類

  • 任意後見監督人選任申立書
  • 申立事情説明書
  • 親族関係図
  • 任意後見受任者事情説明書
  • 財産目録、相続財産目録
  • 収支予定表

▽添付書類の例(家庭裁判所によって異なります)

  • 任意後見契約公正証書の写し
  • 本人の診断書
  • 本人情報シートの写し
  • 証明書(3か月以内に取得したもの)
申立人戸籍謄本
本人戸籍謄本、住民票または戸籍附票、任意後見契約の登記事項証明書、後見登記されていないことの証明書
任意後見受任者住民票または戸籍附票
任意後見監督人候補者住民票または戸籍附票
  • 財産関係
不動産不動産登記事項証明書または登記簿謄本
金融資産通帳、残高証明書、預り証、株式の残高報告書など
生命保険生命保険証書
負債金銭消費貸借契約書、返済明細書
収入確定申告書、給与明細書、年金額決定通知書
支出納税通知書、国民健康保険料・介護保険料の決定通知書、家賃・医療費・施設費の領収書

申立書にはなにを書く?

「任意後見監督人選任申立書」には、以下のような項目があります。

  • 申立人、手続代理人、本人、任意後見受任者の住所、氏名など
  • 申立ての理由
  • 「判断能力が欠けているのが通常の状態又は判断能力が(著しく)不十分」になった原因(診断書に記載された診断名)
  • 申立ての動機
    「預貯金等の管理・解約」「不動産の管理・処分」「相続手続」「介護保険契約」など
  • 任意後見契約
    公正証書の番号、作成年月日、登録番号など

申立てにかかる費用

申立手数料収入印紙800円分
登記手数料収入印紙1400円分
連絡用切手3880円(奈良家庭裁判所の場合)

鑑定を行う場合は10~20万円程度納める必要があります。

後見監督人の候補者がいるときは?

「任意後見人になれない人」を除くと、誰でも任意後見監督人になる資格があり、候補者を推薦することができます。しかし、推薦した候補者が必ず選任されるとは限りません。家庭裁判所の判断で、その人とは異なる、弁護士、司法書士、社会福祉士など第三者専門家を選任することがあります。専門家に対する報酬は、家庭裁判所の決定によって、本人の財産から支払われます。

任意後見監督人になれない人

本人に対して訴訟をし又はした者,破産者で復権していない者
受任者本人、受任者の配偶者、直系血族及び兄弟姉妹



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