後見に関する登記はだれが申請するのですか

後見制度における登記では、東京法務局の登記ファイルに全国の情報が記載されています。はじめは職権による登記であって、本人や家族が登記申請する必要はありません。なお、現在は後見に関する情報は戸籍に掲載されません。

法定後見の場合、後見人を選任する家庭裁判所の審判が確定すると、家庭裁判所の書記官が東京法務局に登記するよう依頼します。1週間ほどで登記が完了します。任意後見では契約締結後、契約書を作成した公証人が東京法務局に依頼します。

後見登記事項証明書

登記ファイルに記載される主な情報

▽法定後見

  • 後見の種別(後見・保佐・補助)
  • 本人の氏名、生年月日、住所、本籍
  • 後見人の氏名(又は名称)、住所
  • 成年後見監督人の氏名(又は名称)、住所
  • 保佐人、補助人の同意を得ることを要する行為
  • 補佐人、補助人の代理権の範囲
  • 数人が共同して後見人となる時は各人の権限
  • 後見が終了した事由、年月日

▽任意後見

  • 任意後見契約公正証書を作成した公証人の氏名、所属、作成年月日
  • 契約の委任者(本人)の氏名、生年月日、住所、本籍
  • 任意後見受任者または任意後見人の氏名(又は名称)、住所、代理権の範囲
  • 数人が共同して任意後見人となる時は、代理権についての定め
  • 任意後見監督人の氏名(又は名称)、住所、審判確定日
  • 任意後見契約が終了した事由、年月日

大事な登記事項証明書

登記事項証明書は後見登記等ファイルに情報が登録されていることを示す書類です。後見人が活動する上でたいへん重要な書類です。これがないと、後見人としての権限を証明できません。登記事項証明書は、「法務局のお墨付きを得た委任状」の役割を果たし、相手方は安心して取引をすることができます。

プライバシーの高い情報ですので、請求できる人は限られています。本人、配偶者、4親等内の親族、成年後見人、任意後見受任者、任意後見人、任意後見監督人などです。全国の法務局・地方法務局本局の戸籍課に申請できます。支局や出張所で取得することはできません。郵送の場合は、東京法務局の後見登録課のみ受け付けています。郵送してから証明書が手元に届くまで1週間から10日かかります。

東京法務局民事行政部後見登録課
〒102-8226 東京都千代田区九段南1-1-15 九段第2合同庁舎4階 TEL03-5213-1360

登記情報に変更があったときは?

登記した情報の変更や終了についての登記は後見人や本人の親族らが申請します。被後見人、後見人らの住所や本籍が変わったり、被後見人が亡くなったりしたときなどに行います。任意後見の場合は、契約を解除したときも登記が必要です。

登記費用

法定後見(後見・保佐・補助)、任意後見とも、はじめの登記手数料は2600円です。変更の手数料は1400円です。

関連条文
後見登記等に関する法律5条
任意後見契約の登記は、嘱託又は申請により、後見登記等ファイルに、次に掲げる事項を記録することによって行う。
一 任意後見契約に係る公正証書を作成した公証人の氏名及び所属並びにその証書の番号及び作成の年月日
二 任意後見契約の委任者(以下「任意後見契約の本人」という。)の氏名、出生の年月日、住所及び本籍(外国人にあっては、国籍)
三 任意後見受任者又は任意後見人の氏名又は名称及び住所
四 任意後見受任者又は任意後見人の代理権の範囲
五 数人の任意後見人が共同して代理権を行使すべきことを定めたときは、その定め
六 任意後見監督人が選任されたときは、その氏名又は名称及び住所並びにその選任の審判の確定の年月日
七 数人の任意後見監督人が、共同して又は事務を分掌して、その権限を行使すべきことが定められたときは、その定め
八 任意後見契約が終了したときは、その事由及び年月日
(以下略)

後見登記等に関する法律5条

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