地番図の例
地番図の例

地番図は見やすい「課税用地図」

市町村が固定資産税などの課税業務の際に参照するために作成したもので、土地の位置や形がわかりやすく示された「課税用地図」といった性質のものです。法務局にある、広い意味での「公図」を合体させ、航空写真などによる新しい情報も盛り込んでいます。

広義の公図には、明治の地租改正時などに作られた古い「公図」と、国土調査によって正確に作られた「地図」の2種類があります。地番図は、特に古い「公図」しかない地域では、相続の際などに現況を知るうえで役に立つ図面になっています。航空写真と合体した地番図を提供する役所もあります。

地番図との公図の違いは?

地番図は公図と同様、土地の場所や形、番地を表した図面です。違うのは一覧性と情報の鮮度です。公図は、小エリアごとに分かれていますが、地番図は一連の図になっているので見やすくなっています。また、先述のように、古い公図より現況に近くなっていて、年に1度更新されます。

ただし、地番図は、公的な権利関係を表したものではありませんので、地番図を根拠に「ここまで自分の土地である」などと主張することはできません。もちろん、裁判資料としても使えません。あくまで参考資料です。里道や水路は割愛されていることもあります。

地積図、地番現況図とも言う

奈良県内では「地番図」といいますが、これを「地積図」とか「地番現況図」と呼んだりする地域もあります。全国的には「地積図」と呼ぶところが多いようです。

地番図を取得するには

市町村の税務関係課の窓口で請求します。A3までなら1枚300円ほどのところが多く、運転免許証のコピーなどを同封すると郵送でも請求できます。

最近は、オンラインで地番図を公開している市町村が増えています。奈良県橿原市の場合、「かしはらのちず」(https://www2.wagmap.jp/kashihara-sp/)で地番図を閲覧できます。