マイナ保険証あっても資格確認書交付

75歳以上を対象にした後期高齢者医療制度に加入している全員に、マイナ保険証の代わりに医療機関に提示できる「紙の健康保険証」(資格確認書)が交付されることになりました。マイナ保険証の利用登録をしている人も、していない人も、令和7年8月1日以降、資格確認書を利用できます。

奈良県内でも、県内全市町村が加入する奈良県後期高齢者医療広域連合(奈良県橿原市)が、加入者への周知を進めています。資格確認書は、7月下旬に市町村から加入者に送付されます。

これは令和8年7月までの暫定的な措置です。資格確認書の有効期限は、毎年7月31日です。

申請殺到を回避

令和6年12月2日以降、従来の「紙の健康保険証」は新規発行が停止され、診察を受ける際は、基本的にマイナ保険証を利用することになりました。健康保険証は有効期限までは使用できます。また、以下のような方針でした。

①マイナンバーカードを作っていない人、マイナ保険証の利用登録をしていない人に対しては、健康保険証と同様に使える資格確認書を交付

②マイナ保険証を持っていても自分で使えない人は、申請することで資格確認書を取得できる

今回、方針を転換して全員交付としたのは、7月の有効期限が迫り、資格確認書を求める申請が殺到することを防ぐためです。

マイナ保険証に様々な懸念

マイナ保険証については、行政側に「重要な個人情報の入り口となるカードを持ち歩きたくない」「高齢のため管理できない」といった声が寄せられていました。また、高齢者の場合は、別の人に保険証を預けて通院を支援してもらうことも多く、マイナンバーカードを預けると個人番号が漏洩する懸念がありました。