相続人の中に行方がわからなくなっている人がいる場合などに選任されます。

相続人、利害関係者らが申立て

共同相続人などの利害関係人、検察官の申立てで家庭裁判所が選任します。申立書では、不在となった経緯、現状、選任を希望する者の名前などを記載します。

特別な資格は必要なし

不在者財産管理人になるために特別な資格は必要ありません。家庭裁判所が、不在者と関係、利害関係の有無を考慮して決めます。弁護士、司法書士などの専門職が選ばれるケースがあります。

不在者財産管理人選任の申立書の記載例

申立書記入例 

申立ては、不在者の従来の住所地か居所地の家庭裁判所に行います。

標準的な添付書類

  • 不在者の戸籍謄本・附票
  • 財産管理人候補者の住民票
  • 不在の事実を証する資料
  • 不在者の財産に関する資料
    不動産登記事項証明書、通帳写しなど
  • 利害関係人が申立てるときは、利害関係を証する資料
    戸籍謄本、賃貸借契約書の写し、金銭消費貸借契約書の写しなど
不在者財産管理人カット写真

財産を管理し家裁に報告

選任された不在者財産管理人は、財産目録を作成し、財産を管理し、家庭裁判所に報告します。遺産分割、不動産売買などは、財産管理人の権限を超える行為ですので、家庭裁判所の許可が必要になります。

遺産分割が終わったら職務も終わるというものではありません。

  • 不在者の失踪宣告
  • 不在者の死亡確認
  • 不在者の財産の消滅

まで職務は続きます。

報酬は家裁が判断

報酬については、不在者財産管理人からの請求を受けた家庭裁判所が判断します。

関連条文
民法28条
管理人は、第103条に規定する権限を超える行為を必要とするときは、家庭裁判所の許可を得て、その行為をすることができる。不在者の生死が明らかでない場合において、その管理人が不在者が定めた権限を超える行為を必要とするときも、同様とする。
民法103条
権限の定めのない代理人は、次に掲げる行為のみをする権限を有する。
一 保存行為
二 代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為

民法

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