行政書士ってどんな仕事ですか

行政書士は行政書士法に基づく国家資格者です。その仕事をひとことで言うなら、「重要な書類を作成し、代理し、相談に応じる仕事」です。「代書とコンサルティング」という言い方もできると思います。

ユキマサくん

主な業務は次の3種類の書類の作成とその代理、相談です(行政書士法1条の2、3)。

  • 「官公署に提出する書類」
  • 「権利義務に関する書類」
  • 「事実証明に関する書類」

当事務所の業務である相続、遺言、後見などでは②③にかかわるものが多いです。

「権利義務に関する書類」とは、権利の発生、存続、変更、消滅の効果を生じさせる意思表示をする書類です。遺言書、遺産分割協議書、贈与契約書、任意後見契約書、財産管理等委任契約書、死後事務委任契約書などがこれに当たります。

このほかの「権利義務に関する書類」としては、売買・消費貸借・賃貸借・雇用などの各種契約書、念書、示談書、協議書、内容証明、告訴・告発状、嘆願書、上申書、定款があり、いずれも行政書士の仕事になります。

「事実証明に関する書類」とは、社会生活にかかわる事項を証明する書類です。遺言・相続業務で作成されるものとしては、財産目録、親族関係説明図などがあります。このほか、実地調査に基づく図面類(位置図、現況測量図など)、議事録、会計帳簿、貸借対照表、財務諸表があり、これらも行政書士の仕事です。

「官公署に提出する書類」は、許認可に関するものがほとんどで1万種類を超えるといわれています。

毎年11月に実施される試験の合格者などが行政書士の資格を得ます。令和3年度は全国で47,870 人が受験し5,353人が合格しました。合格率は11.18%です。試験合格者以外では、弁護士・税理士などの資格者、行政事務経験が17年以上の公務員らが行政書士の資格をもっています。こうした有資格者が行政書士会の名簿に登録すると行政書士になれます。

行政書士は全国で5万人ほど登録しています。この数は、税理士よりは少なく、弁護士よりは多くなっています。

行政書士51,317人(登録者数)2022年9月1日現在
弁護士43,206人(正会員数)2021年3月31日現在
税理士80,238人(登録者数)2022年8月末現在

関連条文
行政書士法1条の2
行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(中略)その他権利義務又は事実証明に関する書類(中略)を作成することを業とする。
行政書士法1条の3
行政書士は、前条に規定する業務のほか、他人の依頼を受け報酬を得て、次に掲げる事務を業とすることができる。ただし、他の法律においてその業務を行うことが制限されている事項については、この限りでない。
(1~2略)
3 前条の規定により行政書士が作成することができる契約その他に関する書類を代理人として作成すること。
4 前条の規定により行政書士が作成することができる書類の作成について相談に応ずること。

行政書士法

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