2025年大阪・関西万博まで1000日を切りました。大阪市の夢洲で、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、「健康・長寿」という世界的な課題の解決策を発信していきます。

2025年万博の計画図
https://www.expo2025.or.jp/

出展される「大阪ヘルスケアパビリオン」では、乗るだけで健康状態を自動診断してくれる乗り物が設けられ、ロボットがその人にあった健康食を提供するそうです。AIによる美容ケアなどもあるようです。他のパビリオンでも「健康・長寿」に関して多彩な展示が行われることでしょう。

万博が開かれる2025年は、団塊の世代(昭和22~24年生まれ)が全員75歳以上になる年でもあります。以前から超高齢化社会における節目の年といわれていました。

その「2025年問題」の象徴のように言われたのが「介護職38万人不足」です。今から7年前、耳目を集めました。2025年度に253万人の介護職員が必要になるのに、当時の増員ペースだと215万人しか確保できないというものです。

昨年7月に厚生労働省が発表した新しい数字(第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について)では、2025年度に必要な介護職の数は少し下がり243万人。それでも2019年度比で32万人足りません。65歳以上の人口がピークを迎える2040年には、280万人が必要で、69万人足りない。状況の厳しさは変わりません。

少子化が深刻ですので、国内で介護人材を確保するのは、なかなか難しい。今のような小出しの処遇改善策では、介護職が劇的に増えることはないでしょう。もっと大胆な処遇改善をしようにも、財政がついてこない。介護保険料もすでに高すぎるぐらいです。

外国人労働者に期待する向きもあります。奈良でも外国人を雇用する施設が出てきました。

しかし、日本の国力が相対的に低下するなかで、外国人が働く場所として、これからも日本を選んでくれるという保証はありません。そもそも、高度なコミュニケーション能力が求められる介護現場に、言葉や文化の壁をもつ外国人が適しているのかという論議もあります。

そうすると、少ない人員で介護サービスを維持する方法を探るしかありません。それを可能にするものとして、ロボットやデジタル、AIに期待がよせられています。必要が発明の母だとすれば、これからの20年、介護の世界でいろいろなことが起きるでしょう。

本格的な介護難の入り口の時期に開かれる大阪・関西万博がなにをみせてくれるのか。高齢化の最先端を走る日本の取り組みに世界は注目しています。

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