春麗の銅像
橿原市役所分庁舎前の「春麗」の銅像

人々を結ぶ、街道とストファイ

格闘ゲーム「ストリートファイター」シリーズ(以下、ストファイ)を生んだ「カプコン」の創業者は橿原市出身です。歴史の街・橿原と先端ゲームのストファイ、縁が遠そうですが、共通点もあるのです。それは、広い地域の人々を結んでいることです。

橿原は古代から重要街道の交差エリアとして国内の人々を結び、ストファイはオンライン空間で世界中の人々を結んでいます。

1400年の十字路 大和八木かいわい①

カプコンは、これまで100か国以上を対象に、ストファイを使ったオンライン大会を開催しており、毎年、世界決勝大会「CAPCOM CUP」で優勝者を決めています。今年2月17日から26日に開かれた「CAPCOM CUP Ⅹ」のライブ配信には、19万人以上がアクセスしました。

ストファイのキャラクターは国際色豊かです。日本の格闘家「リュウ」、中国のICPO捜査官「春麗(チュンリー)」、ロシアのプロレスラー「ザンギエフ」、インドの修行僧「ダルシム」…。世界を結ぶゲームにふさわしい多彩なキャラクター設定になっています。繰り出す技もお国柄を映します。

リュウの銅像
観光交流センター前の「リュウ」の銅像

大和八木駅前はストファイ銀座

橿原市とカプコンは2022年8月に包括連携協定を締結し、ストファイのキャラクターたちは、観光振興や世界遺産登録推進をPRしています。近鉄大和八木駅周辺では、ストファイのキャラクターがすっかりおなじみになっています。

今年3月9日には、大和八木駅南側の橿原市役所分庁舎前に、キャラクター「春麗」の銅像が設置されました。観光交流センター前には、23年5月に建てられた「リュウ」の銅像があります。駅の北側の噴水広場では、ストファイの壁画が迎えてくれます。

旧街道が交わるところにある「八木札の辻交流館」(北八木町2丁目)では昨年10月、「橿原市と㈱カプコンとのあゆみ」展が開かれ、キャラクターをあしらった原付ナンバープレートやマンホールなどが展示されていました。橿原市の学校給食応援団アンバサダーに任命されている、かわいらしく描いた「リュウ」も紹介されていました。

学校給食応援団のリュウ
学校給食応援団アンバサダーの「リュウ」

「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」が世界遺産に登録された暁には、大勢の外国人が橿原市を訪れることになります。ストファイのキャラクターは世界的に有名ですので、「Oh、Ryu!」と、街角で見かけた銅像と写真を撮る人も、たくさんおられることでしょう。世界遺産登録は2026年以降だそうですが、その日が楽しみです。