農地ナビは、「農地情報公開システム」の中の機能のひとつです。農業委員会で農地台帳を閲覧しなくても、一定の農地情報をインターネットで確認できます。

農地情報公開システムについては、農水省が農地の集積・集約化を進めるために整備に取り組んできました。平成25年度補正予算において68億円が計上され、平成27年4月から「全国農地ナビ」(現在は「eMAFF農地ナビ」)の運用が開始されています。事業実施主体は、農業委員会の全国組織である一般社団法人全国農業会議所です。

農地ナビでは、地図情報とともに農地台帳に記載されている情報を公開しています。登録しなくても無料で24時間閲覧できます。地図や条件から農地を絞り込みます。所有者が農地を貸したいか、売りたいかということまでわかりますので、相続にともなう所有権移転や農地転用を考えている人だけでなく、新規就農農地の拡張を計画している人にも便利です。

農地ナビでわかること

  • 農地の所在・地番・地目・面積
  • 農振法区分、都市計画法区分
  • 所有者の農地に関する意向
  • 耕作者整理番号
  • 賃借権等権利設定の種類、存続期間
  • 遊休農地かどうか
  • 利用状況調査日

農地ナビの留意点

  • 必ずしも最新の情報ではありません
  • 「面積」は、登記簿における面積であって、計測した面積ではありません
  • 農地台帳情報を公開するといっても、所有者、耕作者の氏名は農業委員会の窓口で閲覧申請をしなければ見ることはできません
  • 市街化区域にある農地の情報については、情報提供の対象外です

会計検査院の指摘

令和3年10月、会計検査院は、農地情報公開システムについての問題点を指摘しました。農地ナビと連携している農業委員会向けシステムがあまり利用されていないのです。農業委員会がシステムを使わないと、それと連携している農地ナビの情報も更新されません。したがって先述のように「最新の状態ではない」ことになります。

同院によると、農地情報については、システムに参加している783農業委員会等のうち、43.8%にあたる343農業委員会等が平成28年度から一度も更新していませんでした。また、地図データについても、同年度以降、336農業委員会等が更新ゼロでした。

各地の農業委員会では、農地台帳情報をシステム移行するにあたって、データの変換が必要になることなどから作業が進んでいないようです。

関連条文
農地法52条の3
農業委員会は、農地に関する情報の活用の促進を図るため、第五十二条の規定による農地に関する情報の提供の一環として、農地台帳に記録された事項(公表することにより個人の権利利益を害するものその他の公表することが適当でないものとして農林水産省令で定めるものを除く。)をインターネットの利用その他の方法により公表するものとする。
2 農業委員会は、農地に関する情報の活用の促進に資するよう、農地台帳のほか、農地に関する地図を作成し、これをインターネットの利用その他の方法により公表するものとする。

農地法

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